著者:一般社団法人埼玉県塗装職人協会 代表理事・中西祐介
太陽光パネルの設置を考えている方の中には、「屋根の塗装や補修が必要なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。特に屋根の劣化が進んでいる場合、そのまま設置するのはリスクがあります。屋根塗装と太陽光パネル設置の関係について詳しく解説し、どのような対策をとるべきかを説明します。
1. 劣化した屋根に太陽光パネルを設置するとどうなる?
屋根の状態が悪いまま太陽光パネルを設置すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
(1) 屋根の耐久性が低下
太陽光パネルは一度設置すると20年以上使用するのが一般的です。しかし、屋根が劣化していると、パネルの重みで屋根材が割れたり、歪んだりすることがあります。また、設置の際に穴を開ける場合、もともと傷んでいる屋根では雨漏りのリスクが高まります。
(2) メンテナンス費用が増加
太陽光パネルが設置された後に屋根の修理が必要になった場合、パネルを一時的に取り外す必要があります。この作業には追加の費用がかかり、場合によっては再設置にもコストが発生します。
(3) 施工不良のリスク
屋根が脆くなっていると、固定用のビスやアンカーがうまく取り付けられず、パネルの安定性が損なわれることもあります。その結果、台風や強風でパネルがズレたり、最悪の場合、飛ばされる可能性もあります。

2. 屋根塗装と太陽光パネル設置の流れ
屋根の状態をチェックし、必要に応じて塗装や補修を行った上で、太陽光パネルを設置するのが理想的な流れです。
(1) 屋根の点検
まず、専門業者に依頼して屋根の劣化状況を確認してもらいましょう。
- ひび割れや浮きがないか
- 塗装の剥がれやサビがないか
- 雨漏りの兆候がないか
この点検によって、塗装だけで対応できるのか、それとも屋根の張り替えが必要なのかが判断されます。
点検をするなら埼玉県塗装職人協会で点検しましょう。

(2) 屋根塗装の実施(必要な場合)
軽度の劣化であれば、塗装を行うことで屋根の耐久性を向上させることができます。特に以下のような塗料を選ぶと、太陽光パネルとの相性が良くなります。
- 高耐久塗料(シリコン塗料やフッ素塗料):長持ちしやすい
- 断熱塗料:屋根の温度上昇を抑え、室内の温度を快適に保つ
(3) 太陽光パネルの設置
屋根塗装や補修が完了した後、太陽光パネルの設置を行います。防水処理を適切に行いながら、安全に設置することが重要です。

3. どんな屋根なら補修なしで設置できる?
屋根の状態が良ければ、補修なしでそのまま太陽光パネルを設置できます。以下の条件に当てはまる場合、塗装や補修は不要な可能性が高いです。
- 築10年以内で、点検の結果問題がない場合
- **金属屋根(ガルバリウム鋼板など)**で、サビや穴がない場合
- スレート屋根で、ひび割れや浮きがない場合
しかし、これらの屋根であっても、事前に点検を受けることが推奨されます。

4. 太陽光パネル設置前に屋根塗装をするメリット
太陽光パネルを設置する前に屋根塗装をしておくことで、以下のようなメリットがあります。
✅ 屋根の寿命が延びる → 20年〜30年使用可能 ✅ 太陽光パネル設置後のメンテナンスコストを削減 ✅ 断熱効果で室内温度を下げられる → 夏場の電気代節約

5.まとめ
屋根の劣化が進んでいる場合、太陽光パネルを設置する前に屋根塗装や補修を行うのがベストです。屋根の状態によっては、塗装ではなく張り替えが必要なケースもあるため、事前にしっかり点検を受けましょう。
長期的に安心して太陽光発電を利用するためにも、適切なメンテナンスを心がけましょう!



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