著者:一般社団法人埼玉県塗装職人協会 理事・北地隆男。
1.有機塗料or無機塗料の区分と油性塗料or水性塗料の違い
(1)有機塗料と無機塗料の種類による分類
成分(主に樹脂)の違いによる分類=塗料の骨格となる樹脂の違い
有機塗料:アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの有機樹脂を主成分
無機塗料・ケイ素やセラミックなどの無機物質を主成分。完全な無機は少なく、有機とのハイブリッドが多い。

(2)油性塗料と水性塗料の区分による違い
希釈剤(塗料を薄めるもの)=塗料を希釈・調整する溶剤による分類
油性塗料:シンナー(有機溶剤)で希釈
水性塗料:水で希釈
下記リンクの記事もご参照ください。
さいたま市の外壁塗装|無機溶剤と有機溶剤の違いとは? – 【公式】埼玉県塗装職人協会
外壁塗装における水性塗料と油性塗料の違いとは? – 【公式】埼玉県塗装職人協会

2.有機塗料or無機塗料の区分と油性塗料or水性塗料の組み合わせ
(1)水性有機塗料
➀主な樹脂:アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの水性タイプ
➁特徴:
• 水で希釈されるため、低臭・低VOC(揮発性有機化合物)。
• 室内や環境対応したい住宅外壁に多く使用。
• 硬化後は耐久性あるが、一般的には油性よりも耐久性はやや劣る。

(2)油性有機塗料
➀主な樹脂:アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの油性タイプ
➁特徴
• シンナーで希釈し、密着性・耐候性に優れる。
• 塗膜が硬く、耐久年数が長め(シリコン・フッ素など)。
• やや臭気、環境への負荷あり。
• 住宅の鉄部・屋根、工場などに多用。

(3)水性無機塗料
➀主な樹脂:無機成分(シリカ・ケイ素化合物)+水性有機樹脂とのハイブリッド。
➁特徴
• 超耐候性・難燃性が高い。
• 無機なので紫外線に強く、劣化が遅い。
• 水性なので環境対応したい住宅、紫外線が強い地域向き。
• 無機100%は塗膜が割れやすいため、適度に有機樹脂をブレンドして調整されることが多い。

(4)油性無機塗料
➀主な樹脂:無機成分+油性有機樹脂(シリコン・フッ素など)とのハイブリッド。
➁特徴
• 最も耐久性が高いグレードに属する(20年超耐久など)
• 工場・公共建築・橋梁などの高耐久、長寿命が求められる建物に使用。
• 価格は高い。
• シンナーを使用するため、臭気や施工環境に配慮が必要

補足:樹脂の種類別耐久性イメージ
樹脂タイプ | 耐久性(目安) |
アクリル | 5〜8年 |
ウレタン | 8〜10年 |
シリコン | 10〜13年 |
フッ素 | 15〜20年 |
無機 | 18〜25年 |
以上のように塗料には、水性or油性? 無機or の有機? 樹脂(アクリルorウレタンorシリコンorフッ素等)の違いによる多くのバリエーションが存在し、用途や環境に応じて多様な選択肢があります。塗装箇所や目的、環境に応じて、これらの特徴を考慮し、最適な塗料を選択することが重要です。信頼できる塗装業者に相談しましょう。


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