著者:代表理事・中西祐介 。慶応義塾大学大学院修了。宅建士。金融機関勤務を経て、外資系通販会社の代表を10年以上務めた経験を持つ。 実家の屋根・外壁塗装を検討した際、業界のトラブルの多さに衝撃を受け、「お客様にとって間違いのない塗装」を提供するために、職人の友人とともに埼玉県塗装職人協会を設立。 適正価格・高品質な施工を徹底し安心できる塗装をお届けします。
「自分の家は金属系の外装材だけど何か考えておく必要はあるのか?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回は、費用が安く軽量で耐震性、耐候性が高いことで知られる「亜鉛メッキ鋼板=トタン」について、その特徴やメリットを解説します。
1.亜鉛メッキ鋼板とは?
現在、市場に流通している鋼板と言えば、ガルバリウム、トタン、ブリキが殆どであり、外壁・屋根に使用されるのが、ガルバリウムとトタン。そのうち「亜鉛メッキ鋼板(トタン)」は、鉄の板に亜鉛をコーティング(メッキ)することで、サビやすい金属素材の欠点を軽減された建材で、建築業界では古くから外壁・屋根材として使用されてきました。
<ガルバリウム鋼板>

<亜鉛メッキ鋼板(トタン)>

2.亜鉛メッキ鋼板=トタン板のメリット・デメリット
<メリット>
➀軽量で建物への負担が少ない、耐震性が高い。
瓦だと小さくてもずっしり重い一方で、トタンは軽量で瓦の九分の一近くの重量です。最近使われる事が多い。
屋根材 1㎡あたり)重さ(30坪2階建ての平均的な屋根面積は55~64㎡位)
トタン屋根 1㎡あたり5㎏程度 (ガルバリウム屋根は4.5-5㎏位、最近流行りのスレート屋根は18~20㎏)
瓦屋根 1㎡あたり42〜48㎏程度

軽いと何が良いのかというと・・・
*トタンの重量が軽く、また素材の性質上雨や雪が留まらず流れやすいため家に負担がかかりにくく、雨漏れが発生しにくい。
*トタンは非常に軽い素材なので、地震が発生したときの揺れも軽減でき、住宅の揺れが少なくなることで地震発生時の建物への負担も軽減できる。ガルバリウム鋼板も他の屋根材と比べて非常に軽量で、この耐震性の高さは金属素材共通のメリット。
*トタンは、簡単に持ち上げられるほど軽量で軽い素材のため、建築・リフォームの施工期間が短くなる。



➁材料費・施工費が安い
1㎡あたり材料費+施工費の単価が5,000~6,000円が相場。ガルバリウム鋼板は1㎡あたり6,000~8,000円、スレートは1㎡あたり6,000~8,000円、瓦屋根は1㎡あたり9,000~12,000円。トタンは維持のためのメンテナンスコストも他の素材より安価。

<トタン外壁>

トタン屋根>

<デメリット>
➀サビが発生しやすい。
亜鉛が鉄より先に酸化する犠牲防食の仕組みにより、鉄部分を守るための防錆性を施しているものの、素材が薄い鉄板に亜鉛のメッキであるためはがれやすく、メッキがはがれるとサビが発生し、さらに劣化が進むとトタン屋根に穴が開いてしま場合もある。尚、同じ金属素材でもガルバリウムの方が防錆性は高い。
➁遮音性が低い。
素材が薄いため、遮音性が低い。トタン屋根の防音性を高めるためには、効果は限定的ではあるが、屋根裏に吸音材を施工したり、遮音性の高い塗料を塗布したりする方法はある。尚、同じ金属素材でもガルバリウムの方が遮音性は高い。
➂断熱性が低い
素材が薄いため断熱性が低く、屋根材として使用した場合は屋外の暑さや寒さが伝わりやすい。効果は限定だが、断熱材を入れたり、断熱塗料を塗布したりする方法はある。尚、同じ金属素材でもガルバリウムの方が断熱性は高い。


3.トタンの歴史
トタン屋根は大正時代から普及しはじめ、高度経済成長期ごろに主流となった屋根材です。現在ではより進化した素材であるスレートやガルバリウム鋼板を使った屋根材が主流となり、トタンが使われることは減っていますが・・・高度経済成長期より前まで主流だった日本瓦と比較すると、安価で施工期間が短いことから需要が拡大し、戸建て住宅の屋根をはじめとして、倉庫、工場、物置の外壁・屋根など、耐候性とコストパフォーマンスを両立したいケースで多く採用されました。歴史ある街であるさいたま市をはじめとして、今でも、塗装、葺き替え、カバー工法、部分修理等による再生リフォームで活躍しています。
ただ、サビやすい、耐久性がそれほど高くない点、遮音性や断熱性における欠点から、現在ではトタンに変わる素材としてガルバリウム鋼板が使用されるケースが増えています。ガルバリウム鋼板は「アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板」と呼ばれ、トタン板にはないアルミニウムを加えることで耐久性の高さ・サビにくさを実現しており、更に遮音性・断熱性についても改善されています。

4.トタン屋根の種類
トタン屋根は3種類に大別できます。
➀波板トタン
曲線上の波型に加工された板。トタンの中では最もポピュラー。

➁瓦棒葺きトタン
瓦棒葺きトタン屋根は、瓦屋根ではなく、トタン屋根の一種で、屋根が下る向きに合わせて等間隔に縦棒が入った見た目をしている。縦棒の中には心木となる棒が入っており、そこにトタン板を固定して施工。つなぎ目が少なく雨漏れしにくいため、日本瓦やスレートの屋根よりも緩やかな傾斜角度でも施工可能。

➂折板トタン屋根
折板トタン屋根は台形が連なっているような見た目をしており、波型トタン屋根よりもトタン板を大きく折り曲げているのが特徴。凹凸型に加工することで水はけがよくなり、緩やかな角度でも施工可能なので、体育館や工場など大きな建物の屋根として用いられる事が多い。

4.まとめ:亜鉛メッキ鋼板は“コストと耐震性・耐候性重視派”に最適!
「費用を抑えたい、耐震性・耐候性に強いのが良い!」そんな方には家の素材としてはぴったりですが、サビの発生しやすさ、断熱性・遮音性の欠点については考慮しておく必要があります。家の屋根などにトタンを使用していて「サビの発生」「断熱性や遮音性の弱さ」にお悩みがある場合、信頼できる専門業者に相談すると良いでしょう。
尚、埼玉県塗装職人協会でも、金属系外壁材の診断や塗装にも多数の実績があります。お気軽に無料相談・点検をご利用ください。

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