著者:一般社団法人埼玉県塗装職人協会 理事・北地隆男。
外壁塗装の塗料選びは色の種類や塗料だけでなく、艶ありか艶無しの違いもあります。艶ありの方が耐久性があります。それでも敢えて住宅の外見にマットな質感を出すために「艶無し」を指定する方もいらっしゃいますが、どの程度の艶にするのか?艶なしが好みの場合はどの程度耐久性が違ってくるのか?など気になる点が出てくると思います。艶の度合いや艶の有無による耐用年数の違いなどについてわかりやすく解説いたします。

1.塗料の艶あり艶無し
塗料の艶の度合いは5段階に分かれており、見た目も全く異なります。全艶、7分艶、5分艶、3分艶、艶なしがあります。また艶あり塗料に艶を調整する素材を入れる場合もあります。ただし基本は全艶で、お客様のご指定がなければ、全艶になることが多いです。理由は以下です。
(1)職人にとって塗装はできるだけ艶を出すことが基本
塗装職人は見習いの時から、同じ塗料でも「塗装はできるだけ艶を出すことが基本」という指導を受け「塗装工事では艶を出す」事が染みついています。あるベテラン職人の話によると・・・若い頃にある箇所の塗装後、艶が足りないため親方にやり直しを命じられたこともあるようです。ただし一定レベル(ムラなく塗れる基礎レベル)になると「艶を出す」技量には差は出ないようです。
(2)艶ありの方が耐用年数が長い
実は艶ありと艶なしの大きな違いとして、耐用年数の違いがあります。艶ありの方が耐久性が高いのです。また光の反射率が最も高い全艶が最も耐候性が高くなります。更に艶のある外壁は光の反射率が高いほど滑らかなので汚れづらくなっています。
(3)艶無し塗料の塗装が高い技量が求められる
「できるだけ艶を出すことが」事が基本なのに対して、艶無し塗料をムラなく均一に塗るのは高い技量が求められます。実は塗料は厚く塗れば塗るほど艶が出やすくなります。艶無し塗料の場合でも厚く塗った箇所は見る僅かですが光りやすくなります。そのため場所より塗る量や塗る厚みに違いが出ると、「正面からみたら違いが分からなけど、斜め横から見たら一部だけ光っている」なんて現象が起きてしまいます。技量が高い職人ならこのような現象を起こしませんが、技量が高くない場合、そのような現象が起きてしまう可能性があります。

2.艶ありと艶無しの比較
艶のある外壁は光の反射率が高いほど滑らかなので汚れづらくなっています。汚れは外壁の劣化の一因になりますので、艶ありと比較すると、艶なしの外壁は耐久性が低くなってしまうのです。では、艶なしと艶ありでは耐久性はどの程度違ってくるのでしょうか。同じ色・種類・グレード・メーカーの塗料を使う前提でも、艶ありの方が数年は程度長く保ちます。しかしながら、艶無しにもメリットはあります。
【艶あり】
メリット
・汚れづらく艶があるほど耐候性、耐久性が高い。
・新築のように見た目が綺麗になりやすい。
デメリット
・数年経つと塗装直後の新築のような艶は消える
・艶の度合いにより安っぽく見える。
【艶なし】
メリット
・次の塗り替えまでに見た目の大きな変化がない
・マットで落ち着いた感じ。和風の建物と相性が良い。
デメリット
・艶ありに比べると耐候性、耐久性が劣る。
・職人に高い技量を要したり、塗料によっては調整があるので、費用が高くなる事もある。

住宅の外壁素材や雰囲気によっては明らかに艶なしが似合うという場合もありますし、個々の好みもあると思います。艶あり、艶無し両方のメリットとデメリットをきちんと理解してから決めるのが良いです。そんな時の判断に迷った時も、ぜひ埼玉県塗装職人協会にご相談ください。

一般社団法人 埼玉県塗装職人協会では、中立的な立場から、お客様に安心できる塗装のご相談を承っております。「どの業者に頼めばいいか分からない」「見積もりが妥当かどうか見てほしい」という方は、発注の可能性に関係なく一度お問い合わせください。無理な営業は一切いたしませんので、「ちょっと気になるな…」くらいでもお気軽にご相談頂いても結構です。



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